片づけのプロの間で流行っている「ミンスゲーム」
日にちの数と同じ数を手放して片づけるというもの。
アメリカのミニマリストが数年前に「Minimalism Game」として始めたと言われています。
https://www.theminimalists.com/game/
日本でも「ミンスゲーム」をSNSで投稿する人が増えています。
私もブームに乗っかってみようと思い、8月1日からスタート。
手放すことよりも、その過程で感じる思いが色々あり
すぐに捨てられない思いなども体感。
捨てる・手放すに向き合うのは辛いというのも感じました。
建築士で片づけのプロ
暮らsing あさおかまみ です
片づけサポート・間取り相談・片づけ講座やっています
(対面・オンライン)
ひと月で496個のものを手放すミンスゲームとは
1日に1個、2日に2個、3日に3個・・・31日に31個。
すると、1ヶ月で496個のものが家から無くなるという計算に。
例えば、賞味期限切れの出汁パックが5個出てきたとしたら、同じ種類でも5個とカウントしてOK。
また、自分のものだけでなく、家族のものを含めても良いそう。(本人の許可を取ってくださいね)
毎日コツコツやる人、週末にまとめてやる人など、自分のやりやすいようにチャレンジしているようです。
「なかなか、捨てられない…」という思いを持っている人が、ものを手放すキッカケにチャレンジするのもと良いと思います。
片づけのプロ、16日目でチャレンジ中断しました
「ずるい!」と思われるでしょうが、最初から完走にはこだわっていませんでした。
だから、できなかったのかもしれませんが、数を決めて手放すことに疑問もあったから。
でも、チャレンジせずにあれこれ言うのもイヤだったので、まずはやってみることに。
家族のものも入れたらできるよ、なんて声もあったので、そのつもりでしたが、勝手にやる私の都合で付き合わせるのも気持ちよくないので、それはなしでスタート。
「捨てるから始めない片づけ」を伝えたい
私は片づけのプロとして、日本ライフオーガナイザー協会に属しています。
それは、協会の考え方や理念に共感しているから。
その中に『捨てるから始めない片づけ』という大切な考え方があります。
片づけというと、まず捨てることを促されたり、捨てないと始まらないと考えている方も多くいらっしゃいます。
実際「片づけが苦手で捨てられない」とおっしゃる方も多いです。
ライフオーガナイズの片づけは、暮らす人が幸せを感じられる、毎日を心地よく過ごせることが大切。
どんな暮らしがしたいのか?
何をしている時が幸せか?
どうしたら満足度の高い暮らしができるか?
自分の大切な思いを知り、それを実現するのが片づけ。
ものが少なくて、何もないスッキリした暮らしが、必ずしも家族の幸せや満足度につながるとは限りません。
先日読んだこの本からも、ものの量と片づけはつながっていないなと感じたところ。
例えば・・・
私が、この1〜2年で増やしてきたものがあります。
それは、観葉植物です。
成長して植え替えるのに鉢は増えるし、手入れするための時間も増えます。
「部屋のここに、こんな風に飾りたい」と思って、アイテムも増えます。
それは、自宅を居心地良くしたい。家で過ごす時間を気分よくしたいから。
ただ、数だけを基準にものを手放すのは、満足度につながらないこともあります。
手放すのに納得するタイミングがある
出てきたものの中には「ちょっと考えてから捨てるかどうか決めたい」と置いていたものが、いくつか出てきました。
もしかして、また使うかも・・・
必要と思う時が来るかも・・・
でも、使わなかった事実が突きつけられました。
「もしも」と「いつか」は、ほぼやって来ないという事実を身をもって体験。
だからこそ、晴れやかに「ありがとう」と「さようなら」
今回のミンスゲームで、手放すと決めるきっかけになりました。
片づけの仕事をしていたって、こんなものです。笑
ゴミを増やさないために気をつけている3つのこと
もしかして、、、いつか、、、私のその気持ちの裏にはゴミになるのが嫌だという思い。
手放すものをインスタのストーリーズにアップした際、知り合いから「譲ってほしい」とメッセージをもらったことから感じました。
譲ったものはDVD。
もらったけれど観なかったもの。
子ども向けのDVDは、ずっと持っておきたいものではなく、一時的にあると便利なものの一つ。
欲しい人がいたことで、ゴミと捨てなくて済むと、気持ちが軽くなりました。
私は、手放すと決めることはできますが、使えるものをゴミにしてしまうことに、ためらいがあります。
簡単に捨てられるものだったり、明らかに劣化していたり、壊れていて修復するまでもないものは、ゴミにできますが、まだ良い状態のものをゴミにするのは罪悪感を感じてしまう。
ミンスゲームをしたことで、私の思いを実感。
できるだけゴミを増やさないために、私が意識していること3つご紹介します。
1、買うハードルを高くする
今は、安く色んなものが手に入る時代。
また、買い物の労力もとても少なくなりました。
ショッピングモールに行けば、同じ建物内で生活のあらゆるものが揃いますし、家から出なくてもネットで簡単に買い物できます。
ネットショッピングでは、まとめ買い送料無料というものが増えやすい誘惑も。
さらに定期便という、考えなくてもものが配送されるというシステムまであります。
買い物が楽になったことで、ものが家に入ってくるハードルは、どんどん下がっています。
なのに、家からものを出す(捨てる)というハードルを下げることは難しい。
なので、ものを家に入れるハードルを上げることを意識しています。
すぐ買わない。(よく考える!)
まとめて買わない。(そんなに必要?)
種類をしぼる。(兼用して使えないか)
手に持ったら「本当に必要か?」「買わないと困ることがあるか?」「似たようなものを持っていないか?」「どこに収納するか?」「使う頻度は多そうか?」・・・
予定外のものが欲しくなった時の10秒ルール。
考える時間を持ってみると良いと思います。
私は、そうやって考えてみて、買うのをやめることが多いです。
持っていなくても、現在、困っていない。あったら便利は本当か?と疑ってみる。
そして「考えてなかった」と言われることに、新しく家に入ったものの収納場所。
なかったら収納からあふれます。ぜひ、買う時に考えてみてください。
2、ものを使い切る
明らかに「使い切った」と思えると、納得して捨てられます。
違う用途に転用するというのも、使い切ると言えるかもしれません。
時間が経過して劣化し始めていている。
破れている・壊れている。
元と状態が変わっている。
たくさん使って役割を果たした。
これを確認できたら、私は気持ちよく「ありがとう!」と捨てることができます。
むしろ、爽快です。
一番は、ここを目指したい!きっと、ものも役割を果たせたと喜んでいるはず。(妄想)
3、次の使い手を探してみる
リサイクルショップやメルカリなど、少し手間はかかりますが、ゴミになるなら誰かに使ってもらいたい人には、良い方法だと思います。
ただ、ものが溢れているので、飽和状態でもあるかなと感じています。
そして、前述したDVDの話。
欲しいと言ってくれた人が居たことで、別に出てきたDVDは、Buynothingというコミュニティで、欲しい人を募ってみました。
Buynothingというのは、所属する地域のコミュニティ内で、金銭的な利益享受なしで、ものや知恵などをやりとりする場。
ここでもDVDを欲しいと言ってくださる方がいらっしゃり、次の方の手に渡り、気持ちよくものを手放せました。
欲しい人が見つからない、メルカリで売れ残る、リサイクルショップで引き取ってもらえなかった場合は「必要と思う人が居ない」と割り切って、処分しようと考えも切りかえられます。
次のもらい手を探すのは、それなりの労力が必要です。
家で保管しておくスペースが、生活の妨げになるようだったら、早く家から出してあげる方が、空間的にも気持ちの面でも良いと感じています。
ミンスゲームで感じたこと
他にも思ったこと、感じたことがいくつかあったので、まとめてみます。
暮らしも自分も変化している
洋服は、暮らしと自分の変化を実感しやすいものの一つでした。
自分が着心地が良いと思う基準が変化してますし、似合う形も変わってきているのを感じました。
年齢を重ねることで、好きだった服が似合わなくなり、別の似合う服を見つける必要が出てきます。
楽しみでもあり、苦行でもありますが・・・笑
夏は、体型が出やすいので、より意識しないといけないなと。
また、かつてはよく使っていたものも、子どもが成長することで使わなくなったものもありました。
これはお子様がいるご家庭では、必ず出てくること。
子どものものは、成長に伴って変化が大きいので、見直しは大切。
使わなくなった子どものもので、取っておく必要があるのは、思い出のものだけなのではないかと思います。
収納に入った使わないものは忘れる
片づけにご訪問した時に「迷うものは別にしておきましょう」と分けておきます。
私も、洋服は意識しているのですが、生活の中でふと出てきたものは、ついそのまま収納の中に入れたままのこともあります。
そうすると、あることも忘れてしまったり、迷っていたものだということも認識できていませんでした。
引き出しを開けるたびに、ちょっと目に入っても、情報として脳まで届いていなかった・・・
視覚に入ることと、認識して理解することには大きな差があるのを実感しました。
分けて、明確にすること重要!
機能・性能はどんどん進化している
昔から持っているアウトドア用品。
アウトドアの頻度が減り、年に1〜2回しか使わなかったり、着用しなくなったり。
昨年、撥水加工がなくなったアウターを処分しました。まだ新調できていませんが、お店で見てみたら安くてオシャレなものがたくさん。
かつて購入した、濡れても乾きやすいTシャツは、着心地も性能もイマイチ。
アウトドアをするというレジャーで、着心地悪いというテンションを下げたくないので、手放すことにしました。
これは迷いなく「捨てる」
時代の変化と進化は早い!これは、書類を持つか持たないかも、関係してくると感じました。
検索はネットですることが多い。一覧できるというメリットはありますが、2回目に読むことはほとんどないと気づき、その月以前のものは全て処分しました。
これも、情報検索の進化や、保存方法のデジタル化が進んだからこそ。
日常の小さな見直しが快適をつくる
断念した理由はいろいろありますが、7月に気になるところを見直したので、手放す作業が済んでいたという要因も。
明らかに不要な捨てるもの(前述の「使い切った」ものも含む)も、たくさん家から出したので、数を揃えるのが難しかったです。
私の場合、自分の気が向いたタイミングで、ものの見直しをしています。
タイミングを決めているわけではなく、気分です(笑)
私の場合、なんとなく不便を感じる。もっとこうしたい。ものが乱れやすい。と感じたら、衝動的に片づけを始めてしまいます。
それはものの見直しをすると気分がよくなることが、分かっているから。
効果(メリット)が分かっているのは、原動力になります。
小さな1ヶ所でもやってみると、空間も頭もスッキリ。
今回も、17日で終わったものの(153個…)ものを持つ基準や手放す基準や方法も、改めて確認できました。
実は、カウントしていない捨てたものもあります。
古い掃除機、壊れていたザル(買い直し)、古いWi-Fi、使わないコード、息子の陶芸作品、書類、など
写真を撮って数を揃える、という手間がハードルになっていたのもあります。
ま、これを言ったら、このゲームの趣旨と外れてしまいますが。汗
手放すことを考える過程で、自分の基準が見えてくる
物の持ち方を知る手段になる
この「ミンスゲーム」に参加しているのは、片づけのプロの人が多い印象です。
片づけに携わる人は、ものと向き合うことが多く、手放す意味や価値を理解しているからだと思います。
決して「捨てる」「減らす」を目的にしているのではなく(そういう人も居るかもしれませんが)手放すことを考えながら、自分に必要なものかどうかを問いかけることの大切さを知っているから。
私は、途中で中断してしまいましたが、物と向き合う事で、改めて自分の基準を認識することができ、片づけを改めて考える機会になりました。
手放すのはやりやすい方法でいい
私が「ミンスゲーム」を続けられなかった理由のひとつに、これを集めて数を数えた時に、意味がよくわからなったのもあります。
回収に持っていけるよう、リビングに使用済み電池を入れる場所があります。
家から出すものといえば数に入りますが、だったらペットボトルも??と疑問も。
内省しやすいタイプだからか色々考えてしまい、私には合わないな、とも感じました。
数を意識せず、ひとつひとつ考えて納得したいのだな〜と。
続きは、数にこだわらずやりたいと思っています。(もはやミンスゲームはどこへ?!)
私が大切だと思ったのは、「手放す」ことを意識して、ものを通して考えること。
それができれば、方法はなんでも良いと思います。
例えば、毎月10日までのミンスゲームを3ヶ月続けると、165個の手放すものが見つかります。
0のつく日(10、20、30日)だけのミンスゲームを3ヶ月やってみたら、180個の手放せるものが見つかります。
1ヶ月間、毎日何か手放す物を見つける、でも。
毎日、大切なもの・好きなものを選ぶでも良いかもしれません。
ものの持ち方・ものに対する思いを考える機会になるので、自分が無理なくできる形でチャレンジするのをオススメします。
あ、ですが、物を減らすことを強くすすめているのではありませんので、やりたい人だけどうぞ!
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